□成長から程遠い場所
以前の僕には、仕事は自分を成長させるもの、という概念があった。
逆を言えば、成長したければ仕事に真剣に取り組むこと。
それが何よりも大切だって思ってた。
そもそも成長とはなんだ。
俗世間的な意味での成長とは、人間的な成長を意味するのだと思う。
久しぶりに会った先輩なんかが、
「お前成長したなぁ~!」
なんて言う時は、幾分違わずそれである。
久しぶりに会ったくせに、しかも仕事をしてる所を見たわけでもないのに、『仕事ができるようになった』とは誰も思わない。
やはりそれはあくまで人間的な成長を意味している。
では、人間的な成長とはなんだろう。
あ、ダメだ、このくだり。
めちゃくちゃ脱線&長くなる。
この話はまた違う機会に。
(そう言って違う機会に書いた記憶が一度もないけれど)
今まで、仕事=成長の場と捉えていた僕は、成長する機会のない職場や職種に、全く興味がなかった。
だから、なるたけ好きな仕事を選ぶようにしてきたし、興味が持てない職種は選ばないようにしてきた。
仕事ができること=成長した、ではなく、仕事を通じて人間的に成長すること。それが絶対条件だった気がする。
さて、なんでいきなりこんな話をしだしたか、察しの言い方ならばお気づきでしょう。
そう、今の職場で、僕は人間的な成長を全くもって期待していない。
社会的な成長すら期待してない。
おそらく、限りなく無に近い感情を持って仕事をこなしている。
それは決してやる気が無いわけではない。
かといってやる気があるわけでもない。
生活のためにしょうがなく働いてるわけでもなければ、辞めたくて辞めたくて震えてるわけでもない。
なんだか、不思議な感覚と感情を持って仕事している。
凄く違和感がある。
今までの人生では考えられないくらい、没頭していない。
上手くいって嬉しい時もあれば、失敗して悔しいこともある。
だけど、決して絶頂の幸せを感じるわけではなく、ましてや絶望を感じることもない。
あぁ、なんだかこういう風に仕事している人って、きっとたくさんいるんだろうなぁ。
そんな風に思えてくるくらい、なんだか不思議な感覚なのである。
そういった意味で、今僕は成長から程遠い場所で過ごしている可能性が高い。
けれども、全く悪い気がしない。
むしろ、これでいい。これがいい。
嫌なことだってある。ムカつくことだってある。
悔しい時だってあれば、泣けてくる時もある。
でも、決してこれは成長の過程なんかじゃない。
人間力?
そんなもの、全くもって必要としない、関係のない世界がここにはある。
もしかしたら社会というのは、案外こういった場所のほうが多いんじゃないのかなって、ここ最近の不思議な感覚と向き合って思った。
まぁ別に向き合ったわけじゃなくて、ふと今そう思っただけなんだけど。
人間力を否定するつもりはないけど、前職場を辞めるちょっと前から抱いていた不確かな疑問は、まさにこれかもしれない。
気づけば僕の周りは、やたらと『人間力』とか『成長』とか『成功』とか。
そんな社会をちょっと斜め上から見る人たちばかりになっていた気がする。
『やる気』とか『気合い』とか『ありがとう』とか『ごめんなさい』とか『感謝』とか『親孝行』。
言葉ばかりが先行する言い訳軍団の中に身を置いていた気がする。
そんな世界を否定するつもりはないけれど、そんな世界しかないわけじゃない。
彼らと距離を置いて、全く興味のない職に就いて、成長から程遠い場所で過ごして気づいた、もう一つの世界。
ってことはきっとまだまだ色んな世界があるんだろうなぁとかも思うけど、何はともあれ、早起きが得意になりました。
- 作者: 哀川翔
- 出版社/メーカー: 東邦出版
- 発売日: 2009/04
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 219回
- この商品を含むブログ (20件) を見る
じょーざぶろーでした