□君を想う夜
唐突に呟いた言葉一つで衝動に駆り立てることだってある。
何のけなしか、確かな意味を持ってたのか、
知る術なんかない。
鈍いため息を一緒に吐き出した煙と夜空を眺める。
苦肉なほど満月は明るくて、しばらく思考が止まった。
強がり、勘違い、不器用、生真面目。
言い訳はいくらでもあるはずなのに、気づかないふりができない。
悪ふざけにしてはやりすぎで、眠れなくなるのは考えすぎ。
愛や夢や希望や嘘は、いつだって身勝手。
疲れた身体だって、惰性じゃなく動く。
聞き慣れた歌だって、胸にしみて痛い。。
どうやったらいい。
どうなったらいい。
どうだっていい。
笑ってくれるなら、それでもいい。
日付が変わるその前に、涙で腫らす瞼を撫でていたい。
言葉じゃなくて、理屈じゃなくて、いつだってありのままでいたい。
理由なんかいらない、理想なんて程遠い、そうやって見つけてやりたい。
いつも君を想う夜がある。
それが嬉しい。