□不自由な心 白石一文
先週、大阪出張から帰ってくる際に立ち寄った本屋で手にとった一冊、白石一文著『不自由な心』
買ってから気づいたが、これは全5編からなる短篇集である。
白石一文さんの本は1冊だけ持っている。
読んだと言わないのは、途中で止まってるからだ。
本当に面白いのなら、きっと一気読みしてしまうだろうけど、なぜだか前へ進まずにいる。
それは、僕が白石作品をあまり好んでないないことを表しているに違いない。
もしくは小説というものからあまりに離れてしまい、読書という行為にどこか億劫さを感じてしまっているのかもしれない。
それにも関わらず、彼の名前を本棚で見つけた時迷わず手にとったのは何故か。
その答えはきっとこの本の中にある。
5つの物語の内、3つを読み終えた。
特に3つ目の『夢の空』は、その最後を迎える手前で不意に瞳が潤んだ。
胸がくっと押し付けられる感情を抱いた。
危うく事故るとこだった。
(アイドリング読書が僕のスタイルです)
主人公である大木が、愛する人に容赦なく放つ無数の言葉たち。
彼女の幸せを願い、現実の厳しさ故に堪えずにはいられなかった全ての想い。
最後の最後で自分の気持ちを抑えきれなくなった大木の嘘偽りない真実。
およそ2ページに渡って書き連ねられたその言葉たちは、間違いなく彼女の心を響かせただろう。
その瞬間、2人の人生はハッピーエンドを迎えていた。
久々に小説読んで感動しました。
感動って言葉使うと、ちょっと安っぽくなっちゃうのが嫌だけど。
間違いなく心が揺れました。
痛くなりました。
苦しくなりました。
僕は、映画よりも小説の方が合ってる気がします。
そんなこと言うと、根暗だとか自分に酔ってるとか思われるかもしれないけど、それでもいい。
残り2編。
じっくり読もうと思います。
じょーざぶろーでした
読みかけの1冊はこれです。